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スローエイジングでお浄土までぶっ飛ばせ!!
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今年から時間が長くなった土曜日午前の練習走行。
走行開始がAM8:20~と朝が早かったです。
宿泊した赤穂からはクルマで約40分。
眠かったなぁ!!
でも、赤穂という街はいい街ですね。
駅はとっても立派だし、食べ物が美味しい!

まぁそんなことはさておいて。
午前中に行われた練習走行でいろんなセットを試し、決勝用の手応えを掴みました。

そして午後からの予選。
まずボクがクリアタイムを出します。
でもそのとき、エンジンなんだか変な音だなぁ、と感じます。
続いて吉本選手がピットアウト。
さらに症状は悪化していました、ピットイン。
エンジンのパワーが無くなっていたのです。

いろいろやってみたけど原因つかめず。
とりあえず、クリアタイムだけ出さなければならずピットアウト。
凄いプッシュでなんとか吉本選手クリア。
一同、ホッ!!

エー、、今、気付きました。
「吉本選手」とキーボードを打ち込むよりも「ヨッシー」にした方が叩く回数が少なくエコです。
なので、これからは作文の本人松田はボク、吉本選手はヨッシーと表記します。

話を戻します。
ノックダウンまでになんとか直さないといけません。
しかし、やはり原因が究明できず。

ノックダウン予選1回目、ボクがアタック。
最後の最後になんとか16位に入り次のステージに進めることになりました。

ノックダウン予選2回目はヨッシー。
スーパーラップを決めて4番手。
これは本当にスバラシイ仕事でした。

そしてノックダウン予選3回目はボク。
今度はやはり症状が悪化、10番目のポジションとなりました。
ただ、このような状況にもかかわらず最後のノックダウン予選セッションまで残れたことはチームが一丸となって立ち向かったからだと思っています。
みんなに感謝!!

明日の決勝も頑張ろう!

しかし、メカさんたちスタッフはその日の明け方5時過ぎまで原因究明のためにあらゆることをチェックしてくれていたのです。

明けて決勝日朝のプラクティス。
メカさんたちはほとんど寝ていないことなんで誰も口にしません。
みんなもの凄い気合が入っているのです。

まずヨッシーから走り始めます。
レースのスタートを今回はヨッシーが担当する予定にしたので、彼から走り始めました。

あんなにみんなが徹夜をしてまで作業をしたのに、無情にもトラブルは直っていませんでした。
とにかく走行を中止して原因究明作業に改めて取り掛かります。

そこでボクが提案して、ボクの知り合いのエンジンエンジニアに見てもらおうということにしました。
実は、アストン君のエンジンは英国のプロドライブに任せています。
そのため日本ではエンジン屋さんと契約していないのです。
さらに、スペアが現在はありません。
#27フェラーリのエンジンを担当しているアイテック・居島エンジニアにお願いしました。
彼とは牧口エンジニアリングでグループAを戦ったときからの20年以上の友人。
#27の小泉選手にもおことわりを入れて協力していただきました。

実はライバルチームであってもパーツを貸したり借りたいなど、いろいろと助け合っています。

プラグの穴から内視鏡を入れてシリンダー内をチェック。
2番シリンダーがちゃんと燃えていないようですね、というコメント。
確かに、そこのプラグがくすぶっているのは前夜から掴んでいました。
さすがにエンジンのプロ、そこの点火コイルに問題があることが濃厚に。
居島クン、ありがとう!!!

しかし、スペアはないのです。
どこかにアストンマーチンに乗ってきている人は居ないのかッ!?!?
実は、スタッフが駐車場を探しに行きました(笑)
でも、アストンマーチンはありませんでした。
あったとしても、持ち主を探せるのか? 許可がもらえるのか?
という次の問題はあったのですけれども、誰もそこまで考えていませんでした。
とても前向きなチームなのです。

そこでエスティマのものを流用しようとなりました。
これはスタッフが乗ってきているクルマでありすぐ取り外せる、回線図がある、という理由からです。
しかし、実際にやってみるとプラグから火花は飛びませんでした。
容量など、いろんな問題があるからだと考えられます。

仕方なく元の状態に戻し、といってもただ戻すメカたちではありません、ウチの連中は。
これでどうだ!! という対策を施しグリッドに向けて予定通りヨッシーがピットアウトしました。

そしてグリッドに行ってみると、何にも変わっていないというヨッシーのコメント。
最後のあがきもダメだったか!
とみんな意気消沈しているところに、前座で併催されていたポルシェ・カレラカップ用の点火コイルが使えそうだという情報が。
諦めずに、みんなが探し回っていてくれたのです。

じゃぁ、スターティンググリッドからピットに戻してそのポルシェ用の点火コイルをフィッティングしよう。
これが、グリッドからピットに戻した真相です。

やれることは全てやろう! 悔いを残さないためにも。
これがA-speedの凄いところなんです。
さっそくフィッティングを始めます。

でも回線図がありません。
電極を調べながら配線を並べ替え接続。
そんな時、非情にもレースはスタートしてしまいます。

ヨッシーが乗り込みエンジン始動。
やったぁー!! 掛かった! なんかいいみたい。

すでに何周も遅れていますがピットアウト。
ヨッシーからはトラブルの無線報告もナシ。
ラップタイムも良い!
ヨッシーはアグレッシブに素晴らしいレースをしています。

ボクに交替の時期が近づいてきました。
はっきり言ってもの凄く緊張しました。
わずか30分のうちに3回もトイレに行きました。

そしてドライバーチェンジ。
前回鈴鹿から何度も練習していた成果、バッチリ決まりました。
そしてボクがピットアウト。
すると#46のZに出会いました。
まだタイヤが温まっていないボクをZが抜いていきます。
でもアストン君のタイヤが温まり始めると、なんか抜き返せるような気がしてきました。

そして、#46Zを抜いていしまいました。

その後、数台抜きました。

ピットから#46に進路を譲ってください、と無線が入ったのですが、譲れるほどボクは脅かされなかったのでそのまま走り続けました。
どうやらチーム間でそういう依頼があったようです。
こういうことは、よくあることなんです。
インディレースではスポッター間で譲ってやってくれなんてやってます。
ちなみに、#46のZとは優勝したマシンです。

アストン君、問題はまだいくつか抱えていましたが、なによりもハンドリングが良かった!
路面グリップは低く、スリッピーでした。
ほんとに全然グリップしないのでびっくりした。
でも、コントロール性がかなり良かった。
エンジニア、あんたは凄い!!!
最後まで、走るのが楽しくて、楽しくて!

そしてアストン君、初めてのチェッカーフラッグを受けることができました。

ファンの皆さん、スポンサーの皆さん、チームの皆さん、えーい! みんなの皆さん、
応援本当にありがとうございました。

次に繋がるレースができました。

次戦も応援してください。
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コメント
スタッフの頑張り
予選の頑張りの裏にはこんな出来事があったのですね。
チームの皆さんお疲れ様でした。
原因がわかれば次戦は戦えそうですね。
3度目の正直を期待してます。
【2010/04/06 01:30】 NAME[しろうさぎ☆] WEBLINK[] EDIT[]
お疲れ様でした!
観に行けなかった人でも状況が伝わってくるレースの詳細をありがとうございます!
まさにチーム一丸となって&他チームの協力(これには驚きと感動)あっての2戦目の完走は価値あるものですね!皆さんの気持ちが熱いから、ドライバーさんとしても走りで応えたくなりますね。
本当にお疲れ様でしたm(__)mひとまずがっつり休んでください。

※`ボク´と`ヨッシー´はかわいい表現です(笑)。
【2010/04/06 07:29】 NAME[ごっつ] WEBLINK[] EDIT[]
おつかれさまでした。
レースの裏ではすごい苦労があったのですね。
ブログのおもしろいところはまさにこれですね。
どしどし裏話お聞かせください。
御苦労さまでした。
次回はノントラブルでレースができますように。

【2010/04/06 07:43】 NAME[ポン] WEBLINK[] EDIT[]
興奮しました~!
はじめまして!

GT岡山戦観戦してきました。
リザルトだけ見ると残念…で終ってしまうのですが、数ラップ遅れとは言えトップの#46モーラZを追いまわし、ブチ抜き、その他大勢のマシン達を蹴散らしながら爆走するアストン君の姿に惚れ惚れ!
相次ぐバトルに大興奮でした!

それから、詳細なレース(裏方)レポートありがとうございました。
土曜の予選後と決勝グリッド上で松田さんと話せた時に、エンジントラブルの件やスタッフの皆さんの奮闘ぶりは簡単には聞いていましたが、状況がとてもリアルに伝わってきて楽しく読ませていただきました。

松田さんが言われてた問題の「パーツのフィッティング」て、点火コイルのことだったんですね!
しかし、ポルシェから流用してしまうとは…驚きでした。 ポルシェカップがサポートレースで良かったですね!(運まで味方してくれて…)

これで、アストン君はトップと同等(それ以上!)のスピードと耐久性を証明できたわけで、次は久々の表彰台(しかも、一気にてっぺん!)を期待してますよ~!!

それでは、松田さん・吉本選手、そしてスタッフの皆さん、楽しいレースありがとうございました。 そして、本当にお疲れさまでした!

【2010/04/06 15:38】 NAME[ちゃあ] WEBLINK[] EDIT[]
お疲れ様でした
スタッフが頑張ってくれると
ドライバーも「やらなくちゃ」
という気になりますよね。
私もアマチュアですがメカさんが
頑張ってくれたときには、
こちらも気持ちが動かされました。
でも、できればスペアパーツほしいですね・・・
ただ、そんな体制で予選10位、
決勝でも速さを見せたのはすごいと思います。

【2010/04/06 20:38】 NAME[ビン] WEBLINK[] EDIT[]
ありがとう!
詳しいレポをありがとうございます!
改めてハラハラドキドキウルウルしちゃいました。
それに、
松田選手、かなーーーり文才ありますね(^^;
面白い(笑)

富士のホームストレートはアストンくんに有利だと聴いています。
期待しちゃっていいですかぁ?
サーキットまで応援に行きます!
【2010/04/06 22:32】 NAME[ぎん] WEBLINK[] EDIT[]
無題
お疲れ様でした。
とても楽しいレポでした。
富士でお会いできるのを楽しみにしています!!
【2010/04/08 09:20】 NAME[byolne] WEBLINK[] EDIT[]


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プロフィール
HN:
ヒデちゃん
年齢:
69
性別:
男性
誕生日:
1954/12/22
職業:
レーシングドライバー&モータージャーナリスト
趣味:
健康 ゴルフ
自己紹介:
INDY500など海外のレースでも活躍し、現在もスーパーGTを戦う55歳のプロ・レーシングドライバー。
そして、自動車専門誌などに執筆するモータージャーナリスト。
さらに、浄土真宗・本願寺派 僧侶でもある。
この年齢(55歳)にして、いまだトップレベルのレーシングドライバーを保つため、自身が日ごろ行っている健康管理をスローエイジングと名づけ、その広報活動を講演などで行っている。
まだまだ進歩する55歳だ。

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